bookstamoriの日々

書籍の話題やジャズのこと、加えてホットで旬な話題のキーワードをピックアップ。思うところを綴ります

「新刊在庫」アマゾン販売中の際、マケプレ中古書籍の価格設定に必要とする条件は?

日本の場合、書籍の販売価格は定価で販売しなければならないことが法律で定められています。
「日本書籍販売協会」の冒頭ページには下記の記述があります。

著作物の再販制度(再販売価格維持制度)とは、出版社が書籍・雑誌の定価を決定し、小売書店等で定価販売ができる制度です。独占禁止法は、再販売価格の拘束を禁止していますが、1953年の独占禁止法の改正により著作物再販制度が認められています。

この著作物の再版制度に関しては、賛否両論があり、アマゾンは反対の立場のようだし、わが国でも公正取引委員会等は反対の立場にあるようです。ただ、今回のエントリーはその再販制度に関する賛否を論じるのが目的ではありません。

今、アマゾンのマーケットプレイスで見られる販売価格の現状は、ちょっとオカシイのじゃないかと。こんなことが続くとユーザーから総スカンされるのがオチじゃないかと危惧する観点からまとめたものです。

 

定価以上の出品が多いケースが結構見受けられます・・・

下記のスナップショットは、アマゾンに新品在庫があり、マーケットプレイス出品者も比較的多いと思われる書籍を無作為にピックアップしたものです。

f:id:bernies_tune:20180720104513g:plain

新品価格を下回っている出品者は一件のみです。あとは定価超えの出品者ばかりと言う状態。「新品在庫あり」ですから、誰も定価以上の書籍を購入することはあり得ません。加えて、このような価格で運営されているアマゾンの「オカシサ加減」にうんざりしてしまうのじゃなかろうかと思います。

 

定価以上の出品が可能になったのは何時から?

以前、少なくとも昨年の5乃至6月ころまでは、アマゾンに新品在庫がある場合、マケプレ出品者は新品価格以上の価格設定で販売することはシステム的に不可能な仕組みでした。
非常に単純なもので、出品者の販売価格(本体価格+送料)が定価を上回っていた場合は、「アマゾンの販売価格を上回っての出品はできません」とアラートが出るような仕組みでした。

このような、すなわち「アマゾンに新品在庫」有りにも関わらず、定価以上で販売しようとするセラーが目立ち始めたのは昨年の秋以降くらいからだったでしょうか。

さすがにアマゾン側も、この状態を看過することはできないと判断したのでしょう。今年になって、書籍およびCDの新品に関するコンディションガイドラインを変更しました。定かではありませんが、この規約改正ついては「当局から指導」があったという風説めいたものもありましたが、定かではありません。

話が逸れました。

アマゾンのガイドラインとは下記の内容です。2018年5月31日配信メールより・・・

ガイドラインの変更に基づき、書籍および音楽商材(CD・レコード)について、適法な再販売価格維持契約(以下「再販契約」といいます。)に基づく定価に服するものについては、定価以外の価格で「新品」として出品することはできません。

 

定価以上で販売することの更なる問題点とは・・・

上記のスナップショット中、定価以上で「新品」販売中が二件見受けられます。アマゾン側は、「新品」で「定価以上の価格」で販売している場合につていは、「再販契約の締結有無を確認」する場合もあるようです。(出典;2018/5/31 アマゾン配信メール)

再販契約は、個々の出版社の判断により、取次会社に小売店の指導・管理を委嘱して定価販売を維持するための契約である。定価厳守の義務に違反した場合の制裁が、その中心的な内容になっている。これと並んで、再販契約を締結しない者とは取引しないことも重要な内容である。

上記文言は https://www.shinbunka.co.jp/rensai/atrandom/random03.htmより引用

こうなると「新品」で「定価以上」で販売しているセラーは、果たして「再販契約」締結はしてるのかいな? と言う疑問も出てきたりします。

 

最低限、今のアマゾンに望みたいこと

アマゾンのマーケットプレイス構想とは、経営的に窮地に陥ったと言われる時期の打開策の一つでした。新刊書籍とユーズド書籍を併せて販売する構想は広範な支持を得て、現在の隆盛につながるベースとなったのは多くの人が認めるところ。

はてさて、現状はいかなる状況でありましょうか?「新品在庫有り」でありながら、ほぼ定価以上の出品ばっかり。呆れ果ててしまうユーザーの顔が浮かびます。

アマゾンに書籍「新品在庫有り」ならば、セラーは新品価格を上回っての出品は出来ないようにすることが最重要であると思います。