ジャズとの決定的な遭遇については、先般、筆者の誕生日と同じと言うだけの実に単純な縁であるのだけれど、実に深い落とし穴にハマってしまう契機となったS.ロリンズについて書いてあります。
当時はLPレコードの時代。特に新参にとってジャズに関する情報を探すのは一苦労だったような思いが残っています。
周辺の仲間たちは、アルバイトをしてお金を貯めLPレコードやカッコいいオーディオ装置を揃えて楽しんでいました。
私はと言えば、学生の頃はレコードコレクションの道に入ることなく、もっぱら「ジャズ喫茶」へ通っておりました。
当時、お金がもっと自由に使えるような年代になれば沢山のレコードのコレクションに囲まれて、好きな本を存分に読みたいものだなとか思っていました。
さて、時代は一気に跳んで現代へ。
今、ジャズを聴こうと思えばYou Tubeはあるわ24時間聴き放題サービスはあるわで、好きな時に好きなだけ自分の好みのジャンルの音楽を存分に堪能できるようになっています。
ジャズのジャンルだけに限って言えば、1950年代以降の主要なミュージシャンのレコード作品は、先のYou TubeをはじめSpotifyなどの聴き放題サービスでかなり楽しめます。
筆者はこのSpotifyで仕事中もBGMかわりにジャズを聞いています。学生の頃に探し出して聴くのに一苦労したレコード作品は一瞬のうちに聴取が可能なり、と。
実に隔世の感ありです。
ただ、Spotifyには不満があって各作品の録音年月日や構成メンバーに関する情報が極端に少ないということでしょうか。この点、アマゾンの聴き放題では販売サイトの方で原盤データを知ることが出来て便利ではあります。
また、最近はAI技術の導入によって、リスナーの嗜好にあわせて配信する音楽を選択してくれたりもするんですねぇ。
ただ、へそ曲りの筆者としては「余計なことはしてくれるなょ! 聞きたい音楽は自分で決めるわぃ」と思ってしまう悲しい性。
家人に言わせると「おほほほ・・・おススメの中にいいのがあるかもしれないのに。そんな考えだとどこかで損をしてるかもしれませんねぇ」とくる。
もう一つの不満は、多くの場合はレコード単位での再生なのですが、いつの間にかコンピレーションの体裁をとった再生が目立つようになったりします。
レコードとして制作された音楽、つまりレコードのタイトルだとか再生順序にこだわりたい筆者としては少なからず不満が残るのであります。
もっとも月額1000円程度での費用で、そこまで要求するのは無理な話かもしれませんが。
いずれにせよ、聴きたいと思ったときに好きな演奏に接することが出来るのはとても魅力的なことであります。