本日の午後、珍しくジャズに関する本に目を通していました。
(ジャズは朝から晩まで聞いても、ジャズに関する本は余り読まない、特に最近は)
ジャズ・オブ・パラダイス―不滅の名盤303 (講談社プラスアルファ文庫)
- 作者: 後藤雅洋
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1994/02
- メディア: 文庫
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印象に残った箇所があって、ミュージシャンのテクニックと表現力について書かれていました。
ジャズの世界でも超絶技巧(?)のプレイヤーが出現する、とのこと。
一例として、スタンリー・ジョーダンというギタリストが引き合いに出されていました。
Wikipediaでは下記のように紹介されていました。
ギターの指板上で両手の指をタッピングさせる奏法を特徴とする。
Wikipediaといえども、この説明だけでは多くの読者にはピンときませんよねぇ。
前掲の本のなかで著者・後藤氏は彼の演奏を間近に見たということで、彼の演奏スタイルを詳しく説明してくれています。
エレクトリックギターを右手で、普通にピッキングすると同時に、左手でも弦を、ピアノの鍵盤を押さえるようにしてメロディー・ラインを演奏してしまう。つまり一本のギターから同時に二つの旋律を弾きだしてしまう・・・(略)
下記のビデオでは、なんと二つのギターを同時に演奏というスゴ技も閲覧可能であります・・・
天国への階段 by スタンリー・ジョーダン 1991 (Stairway to Heaven by Stanley Jordan 1991)
さて、本題のローランドカークはマルチリード奏者なんですが
表題に掲げた「ローランド・カーク」、幼いころに病院の看護婦の手違いで目が不自由になってしまったと云う不幸な過去があったそうです。
この人のレコードを始めて聞いたとき「複数のマウスピースを同時にくわえて吹くんだぜぃ・・・」と、「ホンマカイナ?」と大いなる疑問に襲われてしまうようなエピソードをその道の大先達から聞かされておりました。
レコードのジャケット写真では、そう言われてみれば・・・まぁ、そうかな、という感じ(注;向かって左から二人目がローランドカーク)。
再び、前掲の著作からの引用となりますが・・・
彼はテナーサックスを吹くと同時に、やはりサックスの仲間とマンゼロとストリッチという楽器をまとめて口にくわえ、三本の楽器をいっぺんに慣らしてしまうのだ(後略)
そして、続いてもう一箇所かなり興味ある記述がありました。
彼は、夢のなかで二本の楽器を同時に吹いている自分を見た(後略)
目の不自由な人でも「夢を見る」ことがある・・・という記述は注目したいところ
ただ本日は、表題の主旨から外れますので、このことは別の機会にでも。
いずれにせよ本日、Youtubeで見た下記のビデオでは、若きころの「ホンマカイナ?」は完全に解消されました。
いやはや、永年の疑問がこんな形で解消されるとは想像だにしておりませんでした。
ご興味をもたれた賢明なる読者のお方様、ご一覧あれ!。
単なる見世物的演奏なんぞではなく、充分に感動的な演奏であります。
司会はクインシー・ジョーンズ。ピアノの伴奏はマッコイタイナーですが、最後に映る人は何故かチック・コリアです・・・
Roland Kirk with McCoy Tyner Stanley Clarke 1975