bookstamoriの日々

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ジャズへの「ハマリ」、始まりはソニーロリンズの一曲からでした

さて、偶然にも耳にした音楽に魅せられて、お気に入りの演奏に巡り合えたとしましょう・・・

本日は、たまたまの巡り合いでお気に入りの演奏に遭遇し、以後ジャズにハマっていった私の経験をお話ししたいと思います。

始まりはラジオ深夜放送で聴いたソニーロリンズの演奏でした

高校最後の冬休みだったと記憶しているのですが、故・大橋巨泉がDJをする番組で、当日はジャズに関する話で彼の「名演奏」という事で紹介されたもの。


Sonny Rollins - Moiritat (Mack the Knife)

 

当時はビートルズ全盛の時代で私もよく耳にしていましたが、初めてこの演奏を耳にしたときの感動というか心の高揚感はそれまでの音楽体験とは全く異質のモノでした。

当時、歌謡曲フォークソング・(英米の)ポピュラーミュージックなど意識せずに何でも聞いていました。いわばBGM的だったのでしょうね・・・

ところがこの時のS.ロリンズの演奏がもたらした、いち音いち音が心中にグイと踏み込んでくるようにしか聴こえないような強烈な印象は、それまでとは全く異質の体験だったことを鮮やかに記憶しています。

ソニーロリンズの個性については、大橋巨泉のナマの声で評価を聴く事が出来ます。
陽気な雰囲気で豪快に吹いている彼の演奏はとてもダイナミックです。


巨泉のジャズスタジオ Sonny Rollins 、増尾好秋 "St. Thomas"

 

ジャズに興味を持ち始めたのは良いけれど・・・

ジャズを聴きはじめた時代、決して多くの人が慣れ親しんでいる音楽でもないので、関連情報を収集するのはなかなか大変でした。

インターネットのある今の時代と比べれば、圧倒的に乏しい情報環境のなかで、ほぼ唯一、四六時中ジャズの聴ける場所が有りました。今となっては、探すのが難しくなってしまった「ジャズ喫茶」という存在です。

 

このジャズ喫茶という業態、振り返ってみれば、異様な雰囲気だったとピーター・バラカン(音楽評論家)は語っています。

彼に言わせると、母国ではこのような店で「しゃべっちゃいけない」はちょっと考えられない・・・。日本に住み始めてから、オーディオを購入するまで何度か通ったけど、家で聴けるようになったらジャズ喫茶へは通わなくなったとのこと。

異文化の人からすると、面食らうような場所だったのでしょうね。

ただ、ジャズを知り始めた十八歳にしてみれば、山のごとくジャズのレコードがあって、昼頃から夜まで営業しているし桃源郷(?)のようなもの。
聴きたくなればそこへ行けばよいということから学生の頃はよく通ったものです。

 次から次へとかかるレコード、当然のことですが殆ど言ってよいほど知っているものはごく少数。加えて、「ジャズ」と称する音楽、当然でしょうが実に幅広い。

例えば、1950年代に音楽的素養に基本をおいていて白人が中心となって発展したウエストコーストジャズと称するジャンルのサウンドと上記のソニーロリンズの楽曲とは全く異なる趣き。
主として黒人たちが推進させていったイーストコースト系ジャズとは質的にもかなり異なるのです。

当時の私の拙い知識や鑑賞力ではとても太刀打ちの出来るようなものではなく、その違いもよく知らなかったので、ウエストコースト系のジャズレコードがかかると退屈な思いをしたものです。

また、ビルエバンスの静かな演奏スタイルも聴くのは苦手な部類に入っていました。
今、振り返ってみると当時の演奏を改めて聴いてみると、決して「静かな演奏」というものでもありません。

う~ん・・・。

最初のうちはどうもとんでもない聴き方をしていたのかもしれませんね。

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