bookstamoriの日々

書籍の話題やジャズのこと、加えてホットで旬な話題のキーワードをピックアップ。思うところを綴ります

買い手のついた二、三の洋書に関する話題です

洋書に買い手はつくか?

当店には、豊富な在庫とは言えないまでも洋書の在庫が少しあります。

特に今年の3月に200冊程度の洋書が入荷しました。主に英米の出版物で、ここ10年ばかりの新しい飛行機に関する解説から第二次世界大戦の戦闘機に関する解説書のものまでと幅広いもの。また、僅かですが同テーマで日本語のものもあります。

さて、これらをどうやって売りさばくか・・・。このテーマはかなり重荷でしたし、今もそうですが・・・

和書であれば、ある程度の勘でこれは買い手はつくな・・・とか類推が出来ます。勿論、ハズレもあるんですが。当然と言えば当然ですが、まだ、和書の方が判りやすい。

和書で売れたもの

最初に売れたものはB-29に関する文献でした。タイトルが「操縦マニュアル」とは・・・、これまた驚くようなネーミング。

B‐29操縦マニュアル

B‐29操縦マニュアル

 “超空の要塞”の米軍極秘ハンドブック!機密情報がいま明かされる―900枚のイラストと図表を駆使して詳細に飛行&運用方法を解説したボーイングB‐29スーパーフォートレス便覧!本書は、第二次世界大戦の四発大型爆撃機中、傑出した性能、重武装、大搭載量を誇った最優秀機の取扱方法を微細に紹介したもの。

 また、カスタマーレビューを見ると興味深いコメントが並んでいます。

爆撃機マニア、軍事オタク、技術社会史に関心のある人に是非!

 マニュアル主義の合理的兵士教育の見本

私の場合、 B29と聞けば、親から聞かされていたこともあってすぐ「焼夷弾」を連想してしまいますが・・・。かなり完成度の高い飛行機だったようです。

アマゾンジャパンで売れたもの

洋書は買い手がつくまで時間はかかるものと予想していました。特に日本のアマゾンのマーケットプレイスにも海外のセラーが多く出品しており、且つ販売価格もこなれていますので、有利なことは納期の早さ位のみです。
当初、米国アマゾンの出品も考えましたが、余り勝ち目がなさそうなので見送ることにしました。

出品してから50日程度で買い手のついた書籍がは下記のもの。内容はプロペラ機のコックピットについて書かれているようで、詳細な写真が掲載されていました。

Wyvern: No. 1 (From the Cockpit)

Wyvern: No. 1 (From the Cockpit)

 

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eBayで売れたもの

先にアメリカのアマゾンでの販売はしないと書きました。あと、有名なサイトで選択肢として残るのはeBayです。

eBay、US Amazonともに日本の出品者も多く「日本発」商品の競争も熾烈を極めています。このような状況で洋書を売ろうというのも無謀な試みかと思いつつも、6月中旬頃から出品を始めていました。なんと6月末近くに下記の一冊に買い手がつきました。

第二次大戦時の戦闘機「メッサーシュミット」についての文献で、コックピットの写真や外装のバリエーションが掲載されいるという内容。
カナダのお客様が購入されました

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この書籍、アメリカのアマゾンでは250ドル前後とかなり高値がついています。

ヤフオクで売れたもの

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同じく6月末近くに「F89 SCORPION」に買い手がつきました。

全天候型ジェット機迎撃機の開発と運用の歴史 また、F-89に適用されたカラフルな塗装スキーム紹介

 と言う内容。

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まぁ日本国内だけでなく様々なマーケットにアプローチをかけるのも面白いものと思う日々です。



6月に行われた「ゆうメール」値上げの影響や如何に?

6月より値上げとなった「ゆうメール」の影響度合いは?

平成29年6月より定型ハガキ等と共に、値上げとなった「ゆうメール」の価格。 ゆうメールの今回の値上げに関して特徴的な事柄は、「厚み」に焦点を絞ったことでしょう。

今回の郵便料金の改定で、私たち古書店にとっては無視できない改定が含まれています。 従来、「三辺合計1.7m以内で重量3kg以内」と言う規格が大きく変更となります。 新規格では「縦34cm以内、横25cm以内、厚さ3cm以内及び重量1kg以内」と変更になります。 縦横のサイズはともかく、この「厚さ3cm以内」はかなり厳しい基準です。ちょっとした単行本でしたら3cmを超える場合が結構ありますし、コミックや文庫本のセット販売をすれば3cmなんてもんじゃありませんし・・・。 また、この規格外扱い送る際の運賃が高いんですよね・・・!

また、「規格外」の価格を参照しての驚き!

重量 現行運賃 新運賃
規格内 規格外
150gまで 180円 180円 265円
150g超250gまで 215円 215円 305円
250g超500gまで 300円 300円 400円
500g超1kgまで 350円 350円 450円
1kg超2kgまで 460円 取り扱いなし 560円
2kg超3kgまで 610円 710円


表を参照して頂くとお判りのように、
規格外、つまり「厚さ3cm」を超えると重量に関係なく「値上げ」!しかも大幅・・・
大口ユーザーが利用可能な、「ゆうメール」の料金体系でも事情は同じで、3cm超の場合の割引価格が廃止となりました。

さて、販売上で実際的な影響はあったのか、無かったのか?

ポピュラーな書籍で確実に厚みのある書籍と言えば・・・、例えば文庫本で言えば京極夏彦さんの著書がある。

 当店の場合、見事に次の著作が影響を受けました。販売価格は109円(プラス送料257円)でしたが、送料450円であります。購入価格を上回る送料負担です!
アマゾンのマケプレでは、本日(6/25)時点で最安値39円~の価格もあるくらい。お買い得と言うべきか?

文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)

文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)

 

 

 こちらの書籍も・・・。当店販売価格は100円(プラス257円)。参考書で800頁弱のボリューム。こちらは新版もあっての値崩れと言えますが。

New看護過程に沿った対症看護―病態生理と看護のポイント

New看護過程に沿った対症看護―病態生理と看護のポイント

 

 各店、在庫があるから売ってしまわざるを得ないのかもしれません。

ある程度、時間が経てば発送コストを含んだ価格に落ち着いていくだろう、と思っているのですが。

「3cmの厚さ」、ポスト投函の可・不可が影響しているようで、郵便局の提供しているサービス、こぞって厚さは「3cm以内」となっています。

郵便物がポストに入らなかった場合、原則「手渡し」もしくは「再配達」等の手間がかかるので、郵便局もヤマト便と似たような問題を抱えている訳です。

発送の工夫であるとか、書籍の販売価格の管理も一層大変となりそうです。