共同通信社が第3次安倍改造内閣発足を受けて7、8両日に実施した全国緊急電話世論調査によると、新設の1億総活躍担当相に加藤勝信氏を充て、少子高齢化の問題に取り組む安倍首相の方針に「期待しない」が48・1%で、「期待する」の44・8%を上回った。
ハナから「期待しない」の数字が大きい「1億総活躍社会」と言うフレーズ。
尤も、かけ声を発しただけで具体的な政策や施策が示されたわけではないのに、この程度だから今後おおきく反騰するとは考えにくい。
世代による受け止め方の違い
筆者はこの「1億総活躍社会」言葉を耳にしたときから、実にいやな気分にさせられた。この言葉を聞いて、思わず連想したのは「すすめ 一億 火の玉だ」でした。念のため申し添えますが、筆者は年金受給の世代であるが戦後生まれ。
下記の記事を読む限り、ネガティブな連想を引き起こすに十分な歴史的な分析がなされているように思える。
昭和史のかたち:安倍首相の1億総活躍社会=保阪正康
毎日新聞 2015年10月10日 東京朝刊
http://mainichi.jp/shimen/news/20151010ddm005070005000c.html
「1億」という語には、恐るべき意味が数多くこめられている。戦後の歴代首相の演説や議会答弁で、この表現で自らの政策を語った例はほとんどないのではないか。国民の反発を買うと知っていたのであろう。戦後社会では、一評論家がテレビ時代を皮肉り、1億視聴者が思考をもたなくなるのではと案じた件が思いだされてくるだけだ。
なお、記事中には次のような言葉がありました。
「進め一億 火の玉だ」、「一億一心」、「一億総玉砕」、「一億総特攻」
さて、若い世代はどうであろうか?
たまたまだが、ハフィントンポストに上記の関連記事があった。著者は大学院生のようで、戦中の使われ方にも言及されていますが・・・
考えてみれば、マイナスイメージが染みついた言葉を政策のキーワードに選ぶはずがありません。
この見解は、確かに正しい部分もあると思う。綿密な調査や分析でこのフレーズを選んでいる・・・(間違いないですよね、世耕さん)
実際、「一億総活躍社会」という言葉自体をネガティブな印象で受け取った、などという論調は、ほとんど目にしませんね。
上記の見解を真に受ける気はないけれど・・・
そういった面で、今回の首相のワーディングは時代に合った、効果的なものだったと言えると思います。
と、結ばれてしまうと「唖然」としてしまいました。
国家の要請する価値観に与する?
時の政権がいかなる「美辞麗句」をもってして国民に語りかけてきても、一切、聞いちゃいけませんぜ。そんなことは、ここ100年ばかしのこの国の歴史を振り返ってみりゃ一目瞭然だよ。
「じょーちのお嬢さん、もうちょい勉強してから書いてちょ」