定期健康診断に行ってきました
毎年恒例、誕生日が近くなると市役所から「人間ドック」診断のお誘いが来ます。私の場合、幸いにも病気とはあまり縁がないので、いわば行きつけの開業医もいません。ただ、年齢のこともあるので、受診の機会は逃さないようにしています。
因みに、私の住む市では受診案内を送っても受診する人たちが少ないようです。40代以上で国保加入が対象となるこの検診、対象者数の半分行くかいかないか程度の受診者だそうです。しかもこのような低率だと、(都だったか国だったか)の補助金が減額されるそうです。そのせいか、数年前に比べて検査項目が減りました。確か、視力検査だったように記憶しています。
住んでいる自治体によって、この種の格差も広がってゆくのかなぁ…と思うとあまり良い気分ではありません。
さて、その健診結果ですがおおむね良好とのことでひと安心。ただ、コレステロール値が高いので「そろそろ薬をお飲みになれたら・・・」という医師からのご宣託。
懇意にしている医者は殆どいないので、毎年、私の検診データを見る人は変わります。(大病院の分院のようなところで、診療所となっていて何人かの医師が交代で診療にあたります。従って、通院治療するようなことがなければ特定の医師と親しくなることはありません)
「ここの数値が少し高いですから、少しを気を付けて・・・」という程度から、
「もうそろそろ薬を飲まれたら・・・」、
「薬をすぐに処方します!飲まれた方がいいですよ」まで、いろいろと言われた経験があります。
今年は、「もうそうろ薬を飲まれては・・・」と言われました。私の答えは「服用する気はありません」でした。
コレステロールのリスクについては、素人なりにある程度は承知しています。もちろん、高いより低いよりほうが良いのでしょうが、専門家の見解も分かれている。だから、いまのところは服用する考えはないと言ったまでです。
因みに、コレステロール値の検査結果は、
HDLコレステロール・・・52 mg/dl
LDLコレステロール・・・170 mg/dl
という結果でした。
厚生労働省の下記サイトでは、下記の記述がありました。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
LDLコレステロールの正常範囲は140mg/dl未満です。140mg/dl以上の場合は高LDLコレステロール血症になります。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-072.html
より引用
一方。こちらのサイトでは下図のようなデータが掲載されていました。
上の図は下記サイトより引用しました
「厚生労働省の関連サイト」と「人間ドック学会」との数値にはかなり開きがあります。この記事ではコレステロールのみにしか言及していませんが、血圧もだいぶ異なります。
コレステロール値が高いとなぜ悪い?
「コレステロール常識」ウソ・ホント―知ってビックリ!正しい知識と診断基準 (ブルーバックス)
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初歩的な知識として、コレステロールが高いとなぜ良くないのかを知っておく必要があります。
コレステロール値が高くなりすぎると、動脈硬化の症状が進行し、心筋梗塞や脳梗塞になるリスクが高まるということが一般的に言われています。
この本によると、日本人のコレステロール値は上昇しているが、人口構成や年齢を考慮して分析すると、むしろ心筋梗塞や脳梗塞による死亡は減少している、としています。
また、むしろ高めの人の方が長生きする・・・といった情報もあります(※感染症にかかりにくいそうです)
また、下記サイトではコレステロールに関する新らしい情報を知ることができす。三回にわたる連載記事の体裁となっており、コレステロールにまつわる情報がうまくまとめられていて、医薬行政も含めて興味深い内容になっていると思います。
「コレステロール値」の嘘 第2部 健康診断の「コレステロール基準値」はこんなにいい加減。 血圧、血糖値に続いて、ここでも(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)
「コレステロール値」の嘘 第3部 意味のない「コレステロール値」で儲けている人たち 利権になっていた(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)
コレステロール値を異常もしくは正常と判断する目安をどこにおくか?
3年前の健康診断の折り、医師に質問されたことがあります。「家族の方にコレステロールの高い人はいますか?」と聞かれました。
そのような心当たりはないと答えました。当然ことながらその若い医師は薬の服用をすすめる事はありませんでした。
上記で紹介した「現代ビジネス」に下記の記述がありました。
「もとになった研究の調査対象には、『家族性高コレステロール血症』の方が含まれています。家族性高コレステロール血症は、生まれつきコレステロール値が高い遺伝性の病気。この患者は、心筋梗塞で亡くなるリスクが、そうでない人に比べて10倍以上も高いのです。 家族性高コレステロール血症の人を除くと、コレステロール値と心筋梗塞の死亡率の関係はほぼ完全になくなります」(富山大学名誉教授・元日本脂質栄養学会理事長/浜崎智仁医師)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43443?page=2
遺伝的な要素も確かめることなく、検査結果の値を見ただけで、加えて血圧や血糖値などが正常であるにもかかわらず、コレステロール降下薬の服用をすすめるお医者さんって・・・信頼度にはちょっと「?」マークをつけたくなるというものです。
但し、これらの記事を読んで「コレステロール値が高くっても大丈夫なんだ」とは速断しないでください。注意をしなければならないポイントがあります。
下記の条件がある事を見逃ないようにしなければなりません。
「ほかの検査値に大きな異常がなく健康な人であれば、LDLコレステロールが180mg/dℓくらいまでであれば、心配しなくていいと私は考えています」(新潟大学名誉教授・岡田正彦医師コメント)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43443
この「他の検査値に異常がなければ・・・」と言う見解は、先に紹介した『「コレステロール常識」ウソ。ホント』でも同様の主旨のことが書かれています。
今の医療のあり方についての批判的な見方など
私は特別に講談社の出版物出版物の情報をやたら推奨推奨するものではありません。ただし、著名な医師の人たちが今の医療について語る内容にはとても興味を持っています。何故ならば、医療に関する最新の情報をもたらしてくれるからです。
下記の見開き記事は、『週刊現代』(2016/10/29)掲載記事です。見出し(太字のゴシック体部分)から、筆者なりの体験も踏まえて注釈を加えてみます。
「薬は本来、危ないものです」
- どんな薬にも副作用がある
- 殆どの薬は病気の症状を緩和するもので、疾患そのものを治すものではない
- 製薬会社が薬をビジネスとして製造している。慈善でやっているのではない、と、両氏が主張されています。薬は「諸刃の剣」ですね。
例えば、世界で最も沢山売れていると言われているコレステロール降下剤「スタチン」を検索してみましょう。多くの副作用の記事がヒットします。
また、この言葉(「薬は本来、危ないものです」)に関して付け加えるなら・・・、
健康食品と称するもの、ピンポイントで効能のあるモノはまずないでしょう・・・と。(これは医師にして作家である久坂部羊氏が言っておられた)。
患者を「収入源」にする医者
数年前ものもらいが出来たので眼科医に行ったら、頼みもしないのに間髪を入れずに「白内障の検査」もしておきましょうと言って、患者の意志を確かめることもなく検査を始められました。記事中では「検査ビジネス」横行との指摘もあります。
とても貴重な指摘として、一から検査を受け治すと費用がバカにならないので、別の医師にかかるときは、必ず「検査結果」を持参するように・・とのオススメ。
人間ドックが患者を生む
これは全く同感です。もちろん、ケースバイケースなのですが。特に生活習慣病の場合、例えばコレステロール値だけが異常値な事のみで治療薬の服用をすすめるパターンですね。