bookstamoriの日々

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「函入り」の書籍、新刊ではほとんど見かけなくなりました

最近、とってもここ2~30年位のことかもしれませんが、「函入り」の本をあまり見かけなくなりました。

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上記のような感じのかなり立派な函入りのもの。貼り函の仕様ですから、コストもそれなりに高いと感じられます。
(少し厚手の紙を使って、ホチキス留めした函とは「格」が違います!)

上記写真の書籍の販売価格は4000円(税込み・税率は3%/1991年3月発行)だから、今の時代に全く同じ装丁で販売しようとすれば、いくら頑張っても2倍以上の価格になるのは間違いない? それ以上なのかもしれません。

一応、中古書籍の取り扱いをしているので、このような重厚感の雰囲気が漂う装丁で、加えてほとんどポピュラーでないテーマの書籍に遭遇すると、「いったい、いつ頃になれば買い手がつくだろう・・・」とネガティブな気分になったりします。

函の役割は中身の保護が目的で紙のヤケとか湿気や埃を避けるためなのでしょう。

ただ、函入りの新刊書籍を見かけなくなったのは、出版する側が販売価格を抑えたい側面だけではなく、読む側が「書物」そのものに大きな価値を見出さなくなり、硬派な書籍に人気が無いからかもしれません。

ただ、書物としての人気は余りないとしても、文化遺産としての保存はなされているようで、前掲の「新日本古典文学大系」シリーズは全巻が揃っているわけではありませんがオンデマンド版の制作がなされています。

ひところ、「なんでも電子書籍化」と言われていたように思いますが、専門性の高い書籍ほどオンデマンド版による体裁の方が読みやすいのではないか、と私は思っています。

ただ、岩波書店の前掲のシリーズの価格を参照すると、6~7000円程度の価格です。
(注:オンデマンド版ですから函入り・厚紙表紙の立派な装丁ではなく、ペーパーバックの簡易な仕様です)

ま、中身重視で考えればお買い得価格の古書には重要がありそうな気も致しますが。
本日、アマゾンのマケプレに出品した「新日本古典文学大系」十数点に買い手は何時つくのでありましょうか?