bookstamoriの日々

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2021年10月発売のBRUTUS(ブルータス) 『特集 村上春樹 上・下』は大人気の様子

10月に発売のBRUTUS(ブルータス) の『特集 村上春樹 上・下』、双方とも、アマゾンの取扱い分は売り切れ状態。

BRUTUS(ブルータス) 2021年 10月15日号 No.948 [特集 村上春樹 上 「読む。」編] [雑誌]

BRUTUS(ブルータス) 2021年 11月1日号 No.949 [特集 村上春樹 下 「聴く。観る。集める。食べる。飲む。」編] [雑誌]

もっとも、先に発売の [特集 村上春樹 上 「読む。」編については、駅前の大型書店で、今も、販売されているので入手がとても困難というのでは無さそう。また、「下」についても在庫なし。10月15日発売だから、アマゾンのみの販売分終了なのでしょう。


村上春樹の手による「読書案内」や過去に掲載の記事(「日常的ドイツの冒険」1984年4/15号掲載分)が読める。また、デビュー作から最新作までが年表として掲載されおり、彼の軌跡を振り返ることができる構成。

面白かったのは「私的読書案内」中の『今昔物語』への言及

 取り上げられているのは圧倒的に英米文学の本。日本の現代作家は数少ない。「おや・・・」と思わされたのは、『今昔物語』や『日本文学全集―雨月物語』がリストアップされていた事。この人のイメージからすると、ちょっと意表をつかれたような感じ。

前者では、「東の方へ行く者、蕪を娶ぎて子を生む語:今昔物語集巻二十六第二」に触れているエピソードが面白い 

僕の好きなのは京から東国に向かう旅の途中で、突然激しい性欲に襲われた旅人の話だ。仕方なく近くにあった蕪に穴を開けて、そこでなんとか性欲を解消するのだが、たまたまその蕪を食べた地主の娘が妊娠してしまい、子供を産み落とす。 東国から京に戻る旅人がその地主の家に泊めてもらい、娘の産み落としたのが自分の子供であることを知って、めでたしめでたし、そこで祝言が挙げられる。素敵な話だ。「うーん、蕪ねえ・・・・・・」とか思うけど

 うまく形容できないのですが、上記の引用末尾にあるようなユーモアあふれる筆致での語りが好きです。

『今昔物語』は福永武彦の現代語訳を推奨されています。

この「東の方へ行く者、蕪を娶ぎて子を生む語」は、けっこう知られているようで「今昔物語+蕪」で検索すれば、原文と現代語訳を掲載されているサイトがありました。ご興味にある方は下記へどうぞ。

東の方へ行く者、蕪を娶ぎて子を生む語:今昔物語集巻二十六第二 - 壺 齋 閑 話


また、思わず笑ってしまったのはコミック版「今昔物語」(水木しげる著)の表紙カバー写真です。

ワイド版 マンガ日本の古典8-今昔物語 上 (ワイド版マンガ日本の古典)

「うーん、蕪ねえ・・・・・・」

で、村上さんはコミック版はご覧になられたのでしょうか?