bookstamoriの日々

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「新聞の発行部数、減少」は、ジャーナリズムの危機への警鐘

本日、新聞に関する話題です。

朝、起きたらポストに配達された新聞の朝刊を読む・・・。
物心ついた頃からの家庭の習慣だったと心に刻み込まれてる人たちは多いのではなかろうか。ただ、そんな習慣はもはや過去のものなのだろう。

 かく言う私の場合、紙の新聞の購読を辞めて久しい。ある時から、インターネット上で配信されている新聞のサイトにアクセスすれば十分だったと思ったからだ。加えて、毎日貯まり続ける新聞紙と無用なチラシの片づけが不要になるからだ。

そんな中、たまたま下記の分析記事に遭遇した。

2018年(10月時点、以下同じ)は3990万1576部と、2017年に比べて222万6613部も減少した。14年連続の減少で、遂に4000万部の大台を割り込んだ。


グラフ化された発行部数の推移をみると、改めて深刻な部数減少であると感じてしまう。

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※上記のグラフは、

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59530より引用

 

さて、問題はここからなのだが・・・ 

大手の新聞各社、電子版を発行しているから経営的には大丈夫かと思いきや、この認識は大きな間違いであることが判った。

紙媒体の広告料収入と電子版の広告収入では広告単価が全く違って、収益の大きな柱とはなり得ないらしい。

そのため、各社値上げを検討しているようだが電通による調査では厳しい結果となっている。

   電通が18年12月に行った、消費増税をめぐる「全国1万人意識調査」では、「消費税増税をきっかけに購入・利用の見直しをしたいと思うもの」を複数回答で聞いたところ、「新聞の定期購読」を「やめることはしないが、節約する」と答えた人が12.1%、「やめることを検討している」と答えた人が13.7%いた。

引用元;https://www.j-cast.com/2019/09/07366659.html?p=allより

 

このような新聞社の経営的な行き詰まりは、ジャーナリズム業界に優秀な人材が集まりにくくなるという現象を招来してしまう。

盛んなSNSでの同時代への発言は、それなりに意味のあることと思う。けれども、ややもすれば同質の意見の集合体となり、発想の広がりに欠けたり、信ぴょう性の問題まで発展しかねない。

様々な角度から取材・検証された一次情報としての新聞や雑誌の記事は、インターネット上で個人レベルで様々な情報の発信が可能になればなるほど、その重要さは一層増していくのではないか。

そんな思いの中、下記の朝日新聞の記事が目に留まりました。

digital.asahi.com

若手の社員たちと食事していたとき、新聞やビジネス誌でも盛んに取り上げられていたあるニュースに水を向けました。そのことをどう捉えているのか意見を聞きたかったのですが、目の前の社員が「へえ~」。なんと、何が問題なのか分からなかったのです。
(中略)
 フェイスブックにグループを作り、各自そこに朝、新聞を読んで気になったニュースとそれに対する意見を書き込むようにしました。すでに部署ごとに20以上のグループができました。とんちんかんな意見を書いていた人たちは、さすがに恥ずかしいと思い始め、今は必死に新聞を読んでいます。私はずっと新聞を読んできましたが、意見を書くようになってからは一層よく読むようになりました。

上記は、藤田晋氏(サイバーエージェント社長)の文章からの引用です。

自社の若い優秀な人材が「新聞を読んでいない・・・」ことへの危機感から、このような一文をしたためられたのでしょう。

新聞メディアは実に多様な情報が掲載されており、様々な記事情報は、自らの考えがどのような位置にあるかだったり、考えの物差しを提供してくれさえもする。

若い世代には新聞メディアに目を向けてほしいし、新聞各社さんには危機的状況の打破を期待するものです。